お茶のイメージ
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お茶の選び方のコツ その2 一番茶と二番茶などの違い

一番茶とは?春に摘んだ一番茶が美味しい理由

一年で最初に摘まれるのが一番茶

一般的にお茶は、一年に2~3回摘まれます。4月~5月に摘んだお茶が一年で最初に摘まれたお茶で「一番茶」と呼びます。この時期には、「新茶」として販売されています。

◎意外と知らないポイント:新茶=(イコール)一番茶:一年で最も品質の高い時期のお茶 

新茶と一番茶は同じ

 

新茶とは実は一番茶のことです。年間一番茶を販売していますが、新米と同じで「旬」な一番茶という意味合いで、四月~六月頃まで「新茶」として販売します。いつまで新茶として販売するかは決まっているわけではありません。

もちろん、摘みたての新茶は、さわやかでその時しか味わえない新鮮な風味を味わえます。時間が経つにつれ風味が徐々に変化し、落ち着きのある味わいになってきます。季節に応じて火入れなどの加工具合を変えて販売する場合もあります。

一番茶(新茶)が美味しい理由

秋と冬の間にしっかりとお茶の木が休んでいるため、根に「テアニン」などの旨み成分をため込んでいるのです。春先のまだ肌寒い時期に、新芽がゆっくりと成長します。この新芽には、お茶の養分、テアニンなどがたっぷりと含まれていて、旨みの多い美味しいお茶に出来上がります。一番茶のテアニンの含有量は、平均で二番茶の3倍と言われています。

 

テアニンが豊富な一番茶

 

◎意外と知らないポイント2:お茶は摘むタイミングで品質が決まる。

一番茶でも、早いタイミングで摘まれた茶葉は、手触りが柔らかで重く、成分も凝縮された品質の高いものになります。葉が生長するにつれ、手触りは固く、密度も軽くなり、品質の低い茶葉となっていきます。(収量は増えます。)走りの(出始めの)新茶が高価なのは、早く摘むので質が高いということも要因の一つ。5月に入って順々にお安い新茶が登場してくるのもこのためです。

同じ農家さん、同じ茶畑でも摘むタイミングでお茶の品質が大きく変わります。

 

 

新茶の価格、タイミング

 

二番茶について

2番茶とは一番茶を摘んだ後(おおよそ45日~50日後)に摘まれるお茶です。鹿児島茶の2番茶は5月末頃から摘みますが、他の地域は6月になってから収穫します。

6月になると気温も上昇し、葉の生長スピードも上昇することと、一番茶の後に摘まれるので、お茶の木の栄養分(元気)が減少していることから一番茶に比べると茶葉の品質(風味)は低くなります。

うまみ成分のテアニンは少なくなりますが、タンニン(苦み・渋み成分)のカテキンやカフェインは多くなります。2番茶の方が苦みが強いのはこのためです。

2番茶以降のお茶を番茶と呼び、低温で抽出可能なテアニンが少なく、高温でないとでにくいカテキン、カフェインが多いので、葉が固くなった番茶は高い温度でお茶を淹れるのはこうした理由です。お茶の淹れ方については別ページで解説。

 

二番茶の画像

 

また、2番茶になると取引価格のキロ単価が大幅に下がってしまうことと、生長が早いため、短期間で収穫する必要があるので、手間のかかるかぶせ(被覆)なのどの作業をしないことが多くなります。そこも、一番茶と比べた品質の違いに影響していると考えられます。

 

実は、1.5番茶も存在する。その名も刈番

 

ややこしい説明になりますが、実は1番茶を摘んだ後に遅れて出てきている芽を2番茶を収穫する前に刈そろえる目的で収穫する「刈番」というお茶もあります。1番茶と2番茶の間に摘まれるので「1茶半(1.5番茶)」などと呼んだりします。刈番は、形や品質もあまり良くなく玄米茶や低品質な茶にブレンドするなどして利用されます。

安価ですが、強火焙煎で仕上げると、風味も良い具合になります。

*刈番は収穫しない農家も多くあります。

三番茶、秋冬番茶(四番茶)

2番茶の1か月後くらいに摘むお茶が3番茶。お茶の木は摘まれる度に疲れて栄養が減少していきますので、2番茶と比べても品質も劣ります。

秋冬番茶は、3番茶の後、9~10月ごろに摘まれるお茶。3番茶を摘まずに秋冬番茶を摘む場合もあります。血糖値を抑制する効果のあるポリサッカライドという成分が最近注目されています。味はともかくというもので、お値段が安いことが魅力です。100gあたり100円程度で経済的です。

二番茶、秋冬番茶を摘むと、お茶の養分(元気)が減少することから、翌年の一番茶の品質向上のため二番茶以降を収穫しない産地や農家さんもいらっしゃいます。

二番茶以降は番茶と呼ばれ、カテキンの割合が多く苦みや渋みが強くくなることから、ほうじ茶のように強火で仕上げた品を番茶として販売しているお茶屋さんもあります。そういった理由で【番茶=ほうじ茶】と思われている方も多いですが、実際には異なります。

 

熱い温度で入れる番茶

 

まとめ

 

1.新茶とは一番茶のことである。

2.一番茶が二番茶の旨み成分が多く(3倍)、価格も数倍に及ぶ。

2.一番茶、二番茶、三番茶・・・と摘むたびにお茶の木の栄養分が減り、茶葉の風味も落ちてくる。

4.2番茶はカテキン、カフェインが一番茶よりも多い。

5・一番茶は、低温で、番茶は、高い温度で淹れる。

◎茶袋に一番茶、二番茶などの表示は通常はありません。ですから、どのお茶を使っているのかお茶屋さんに聞いてみましょう。わからない場合は、価格で判断しましょう。お茶屋さんによっては、高い価格帯のお茶にも番茶をブレンドしている場合もあります。

 

 

よくある間違い

一回目に淹れるお茶のことを、一番茶、その次に淹れるお茶を二番茶と呼ぶ方が非常に多いのですが、実は間違い。一番茶、二番茶とはお茶の摘む時期のことで、急須で出すお茶の回数ではありません。急須で出す回数は正しくは、一煎目、二煎目と表現します。

「二番煎じ」と諺もあることから、二煎目のことを二番茶と誤解されるのではないか思います。もちろん「二番煎じ」とは、一煎目でおいしい成分を出した後で、旨みがあまり残っておらず、美味しくない状態のこと。諺の意味として、オリジナルの真似して、新鮮さが薄れ、また質、価値の低い様子を指します。

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